最近は、AIを使ってアプリを作ること自体はかなり現実的になってきました。
でも実際にやってみると、「思ったより簡単に形になる部分」と、「そこから先が意外と重い部分」があります。
結論から言うと、AIでアプリを作れる人の共通点は、
すごいプロンプトを知っていることより、最初の頼み方が小さくて、仕事の分け方がうまいことです。
そしてもうひとつ大事なのは、
自分が使うアプリを作ることと、マーケットに出すことは、思っている以上に別の仕事だということです。
前者はかなり簡単になりましたが、後者は今でも時間がかかりやすいです。
まず押さえたいこと。AIでアプリを作るなら「自分用」から始めるのが強い
AIで最初の1本を作るなら、いちばんおすすめなのは自分が使うアプリです。
理由はシンプルで、要件がぶれにくいからです。
たとえば、
- 筋トレの記録を残したい
- ぱっとメモを残したい
- 自分用のToDoを管理したい
このくらいのアプリなら、「何をしたいか」が自分の中ではっきりしています。
誰かに説明する前に、自分が使う場面を思い浮かべられるので、AIへの指示も出しやすいです。
逆に、最初から「多くの人に使われるアプリ」を作ろうとすると、一気に考えることが増えます。
画面、使いやすさ、データの扱い、審査、ストア説明文、公開後の改善まで入ってきます。
ここまで広がると、AIに何を頼むかもぼやけやすいです。
要するに、最初の1本は
世の中向けの大きなアプリより、自分向けの小さいアプリのほうが圧倒的に進めやすいです。
AIでアプリを作れる人は、最初の依頼を大きくしすぎない
ここがかなり大事です。
うまく進む人は、最初から「全部入りの完成版」を頼みません。
よくある失敗は、こんな頼み方です。
- 筋トレ管理もできる
- カレンダーも見たい
- 課金も入れたい
- ログインもつけたい
- ついでに公開までやりたい
これを一気に頼むと、AIも人間も整理しにくくなります。
どこから作るかが曖昧になって、修正の往復も増えやすいです。
うまく進む人は、最初の依頼をもっと小さく切っています。
たとえば筋トレアプリなら、最初はこのくらいで十分です。
- 種目を追加できる
- 回数や重量を記録できる
- 記録一覧を見返せる
この3つだけでも、もうアプリの形は見えます。
まずはここまで作って、動いてから次を足すほうが、結果的にずっと早いです。
うまく進む頼み方は「完成形」ではなく「段階」で頼むこと
AIにアプリ開発を頼むときは、1回のお願いで全部終わらせようとしないほうがうまくいきます。
おすすめは、仕事を4つくらいの段階に分けることです。
1. まずは要件を整理してもらう
最初にいきなりコードを書かせるより、先に「何を作るのか」を短く整理してもらうのがおすすめです。
個人用の筋トレ記録アプリを作りたいです。
まずは最小構成で考えたいので、
必要な画面と機能を3つに絞って整理してください。
この段階では、まだ作らなくて大丈夫です。
ここで話がずれていると、あとで全部ずれます。
最初の5分で方向を合わせるだけで、かなり進めやすくなります。
2. 次に、最小版だけ作ってもらう
要件が固まったら、最初の版だけ作ってもらいます。
ではこの内容で、まず最小版を作ってください。
機能は、記録追加・一覧表示・削除の3つだけで大丈夫です。
作ったあとに、どのファイルを作ったかと実行方法も教えてください。
ここで大事なのは、「最小版」と言うことです。
最初から完成版を求めるより、動くものを先に作るほうが確認しやすくなります。
3. 実装だけでなく、確認まで頼む
今のAIコーディングツールは、コードを書くだけではなく、読んで、直して、実行まで進められるものが増えています。
AnthropicはClaude Codeを、自然文から機能を作り、修正し、コマンドを実行できるツールとして案内しています。
OpenAIもCodexを、コードを読んで、編集して、実行できるコーディングエージェントとして案内しています。
なので、頼むときも「書いて終わり」にしないほうがいいです。
実装したら一度実行して、
エラーがあれば修正してください。
最後に、どこを変更したかを簡単に説明してください。
この一文を入れるだけで、かなり変わります。
「コード案を返すだけ」ではなく、「動くところまで近づける」方向にAIが動きやすくなるからです。
4. 詰まったら、新しい会話に分ける
これはかなり実践的なコツです。
長い会話のまま全部を進めようとすると、途中で話が散らかってきます。
特に、
- 仕様の相談
- 実装
- エラー修正
- 公開準備
この4つは、頭の使い方が違います。
同じスレッドに全部詰め込むより、必要に応じて分けたほうが進みやすいです。
トークン制限がつらいと感じるときも、だいたいここが原因になりやすいです。
「今は何をやる時間なのか」を分けるだけで、かなり軽くなります。
AIで作ることは簡単になった。でも公開はまだ別の難しさがある
ここは実際にやってみるとかなり感じるところです。
自分で使うアプリを作ることは、以前よりかなり簡単になりました。
でも、App Store や Google Play に出すところになると、急に開発以外の仕事が増えます。
たとえば、こんなものです。
- ストア用の説明文を整える
- スクリーンショットを用意する
- 価格や配信地域を決める
- プライバシーやアプリ内容を整理する
- 審査で見られる前提で最終確認する
つまり、公開の難しさは「コードを書く」ことだけではありません。
見せ方、説明、審査、運用の準備が一気に乗ってきます。
App Store と Google Play は、どこが難しいのか
この「出すのが大変」という感覚は、気のせいではありません。
実際に公式ドキュメントを見ても、公開前に必要な作業がかなり多いです。
App Store は「完成度」と「審査前の準備」が重い
AppleのApp Review Guidelinesでは、レビューに出すアプリは最終版で、必要なメタデータや動くURLを含み、仮の文言や空のWebサイトを除いておくよう案内しています。
さらに、ログインがあるアプリでは、レビュー用のデモアカウントやデモモードも必要です。
要するに、
まだ途中のアプリをとりあえず出して様子を見るというやり方は取りにくいです。
「ちゃんと動く」「必要情報が揃っている」「レビュー担当が確認できる」が求められます。
これは自分用アプリとの大きな違いです。
自分で使うだけなら許せる粗さも、公開するとなると通りません。
Google Play は「リリース準備」が意外と多い
Google Playも同じく、コードをアップすれば終わりではありません。
Googleの公式ヘルプでは、リリース前にストア掲載情報、App content での審査準備、価格設定を済ませておく必要があると案内しています。
さらに、公開の流れも
- テストトラックを選ぶ
- リリースを作る
- 審査に送る
- 公開タイミングを管理する
という形で進みます。
初回公開や一部アカウントでは、レビューに最大7日以上かかる場合もあるとされています。
つまり、Google Playは
開発したあとに、公開のための運用作業が続く場所だと考えたほうがわかりやすいです。
だから、最初は「作る」と「出す」を分けて考えたほうがいい
ここまでをまとめると、AIでアプリを進めるときは、最初から公開まで一気に狙わないほうがうまくいきます。
おすすめは、次の順番です。
- まずは自分用の小さいアプリを作る
- 毎日少し使って、不便なところを直す
- そのあとで、公開に必要な項目を別で整理する
- 最後に、App Store / Google Play 向けの準備に入る
この順番なら、開発の難しさと公開の難しさをごちゃ混ぜにせずに進められます。
特に最初のうちは、ここを分けるだけでかなり気がラクになります。
まとめ
AIでアプリを作れる人の共通点は、
最初から全部を頼まないことと、仕事を段階で分けていることです。
自分用の筋トレアプリやメモアプリのように、目的がはっきりした小さいアプリなら、今はかなり作りやすくなっています。
一方で、マーケットに出す段階になると、ストア情報、審査、価格、説明文、最終確認など、別の仕事が増えてきます。
だからこそ、最初の一歩としては
まず自分が使う小さいアプリをAIと一緒に作ってみるのがいちばんおすすめです。
そこで頼み方と分け方が分かってくると、公開までの道のりもかなり見えやすくなります。
「AIを使うほどうまくなる」という話をもう少し広く見たい方は、AI活用は「センスより慣れ」?Anthropicの学習曲線レポートからわかる上達のコツ もつながりやすいです。
実際にClaude CodeやCodexで小さいアプリをどう作るかを見たい方は、Claude Code・Codexの使い方|初心者がまず試すべきアプリ開発の実践手順 を読むとイメージしやすいと思います。
今回参考にした公式情報
- Claude Code overview
- Codex web
- Submit an app - App Store Connect Help
- App Review Guidelines - Apple Developer
- Prepare and roll out a release - Play Console Help
- Publish your app - Play Console Help